在宅生活は多くの支援者によって支えられています。急がずあせらずじっくりしっかり準備していきましょう。
「第1章 退院までにしておきたい事」より
「在宅へのステップ」より
特に、「家族(両親)が処置や医療機器の扱いに習熟しており、緊急時の初期処置をとれる」(こと)は重要です。親が子どもと触れ合う時間を多く持ち、普段から看護師さんのするケアをし続けましょう。素人が看護師さんと同レベルのケア技術を体得するには時間と経験が必要です。一般的ケアから呼吸管理ケアまで徹底的に教えていただきましょう。(中略)
病室でのケアに慣れてきたら、ぜひ院内散歩に出掛けることをお薦めします。院内散歩は格好の訓練、実践の場です。最初は医師か看護師さんに同行してもらい、監督してもらいましょう。医師のOKが出たら親だけで散歩に連れ出します。子どもの状態把握、判断力、技術力、など腕を磨きましょう。病棟には散歩用に酸素ボンベなど必要な物品を備えてもらい、散歩に出掛ける準備から親一人で出来るようにします。緊急時の処置等も散歩の場数を踏むことで、度胸をつけられます。いうまでもなく院内散歩は子どもにとっても楽しみな事です。病院のロビーや食堂、中庭、プレイルームなどへ出かけ、のんびり余裕を持って楽しみましょう。
それから、院外への外出に挑戦しましょう。これも最初は医師や看護師さんにオブザーバーとして同行してもらい、親が主体的に判断し、行動するようにします。数回繰り返し、外出が楽しめるようになったら、家族だけの外出や自宅でのひとときを味わわせてあげましょう。そして外泊へ。1泊から始めて少しずつ日数を延ばしていきます。付き添いをしていない親は外泊を実施する前に病室に泊まり込んで、夜間の子どもの状態やケアなどを体験しておくと安心です。(中略)
ここまでの事は在宅をめざしていない人も挑戦してみて下さい。院内散歩や外出・外泊は子どもたちの世界を拡げ、日常生活を豊かにしてくれます。入院生活のQ.O.L.(生活の質)を高める取り組みの一つと思います。