小学校での親の付き添いが、息子が4年生の夏休み前に完全解除された。
長かった―。
幼稚園入園から数えて足かけ6年半。文字どおり、雨の日も風の日も雪の日も両親どちらかが付き添い続けた。この付き添い期間中、妻は就労していなかった。当時はまだまだリモートワークやノマドワーカーも定着していなかったこともあるが、それにしても学校から付き添いを求められると、物理的に働くことは難しいと言える。このように付き添いのために就労できなかったり、もしくはそれまでの仕事を離職せざる得ない問題や、地域によって対応にばらつきがあることが問題視されたことは「医療的ケア児支援法」成立(2021年9月施行)の背景にもなっている。
そして件の幼稚園・小学校の付き添いであるが、今となっては得難い経験だったと思っている。しかしこれはまったくもって良い意味ではないことをはっきりと断っておく。付き添いなど絶対しないほうが良いと、身をもって体験したから言える、ということなのだ。この理由については、小学校付き添い編③「ステイスクール」にも書いたが、いまいちど要点を引用する。“このステイスクールで何より恐れていたのは、周りの子どもたちに、息子のように車いすに乗って呼吸器をつけた医療的ケア児は、常時親の付き添いが必要だという誤った認識を持たれてしまうことだった。” 親の付き添いによって、新たな差別の火種を増やしてしまう。まさにこのことが付き添いの根源的な問題点だと思う。
ここまでの息子の学校生活をまとめておくと、入学から4年生半ばまで、親の付き添いがあった。同じころにエレベーターと渡り廊下が完成した。それまでは1階の教室がクラスルームで2階以上の移動は階段昇降車だった。5年生からようやく2階以上がクラスルームとなった。
環境も整備されて、息子のスクールライフは次なる挑戦へと舵を切って行くことになるのだった。