小学校付き添い編⑪「GoToエレベーター2」

後ろに見えているのがエレベーター設置前の小学校
後ろに見えているのがエレベーター設置前の小学校

前回から引き延ばしたアクシデントとは何だったのか?

エレベーターと渡り廊下建設時に「埋蔵金の発見」とか「秘密の地下室の発見」なら、ロマンもあり面白かったのだが、残念ながらそうではなかった。

以前付き添い編④「クジャクと電車」でも書いたが、息子の小学校の脇をJR線路が通っている。そしてエレベーターと渡り廊下もこの線路側に建設される予定になっていた。ここにアクシデントの原因があったのだ。JR施設の隣接地に建造物を建てる場合、電車の運行の安全のために事前にJRへの建設認可申請が必要だったらしい。教育委員会がJR隣接学校に建造物を建てることの「前例」がなかったからなのか、これをしないままに建設準備に入ってしまい、直前になって申請が必要だと発覚した。JRはJRで大きな組織ゆえのスピード感のなさがマイナスに作用し、認可するだけに数か月を要することになり、工事はいったんストップせざるを得なくなったのだ。

 

エレベーター工事と並行して、教育委員会から学校を通して息子の進路について(要するに地域の中学校に行くのがどうか)複数回の問い合わせがあった。我が家としては「地域の中学校一択」の方針に変わりはなかったが、妻はそのたびに「地域の中学校進学を断念させる揺さぶりか」と思っていたらしいが、どうやら中学校のバリアフリーなど環境整備の確認だったらしい。これは予算取り、工期含めると数年かかることをこの小学校の経験で学んだ教育委員会が、中学入学の4年前からしっかり動き始めたということである。とにもかくにもこれで中学校のGoToエレベーターへの準備は整った。

 

足かけ2年の工事を経て、エレベーターと渡り廊下が完成した。息子とクラスメートも5年生にしてやっと校舎の2階以上がクラスルームとなった。

エレベーターがついて最初期には、カギがかかっていて常時エレベーターを使うことができなかった。これでは緊急時はともかく、使いたいときに使えないとすぐに学校に申し入れ

常時使用できるようになった。この話はエレベーターあるあるらしく、会の先輩の中には常時エレベーターのカギを持っていて、エレベーター移動時には同級生がぞろぞろついて来ていたそうだ。

用もないのにエレベーターで遊ぶのはケシカランことだが、常時使えなくすることでそれを防いだとしても意味がないように思う。それこそエレベーターが何のた

めに必要なのか生きた教育をすればいいだけの話だと思う。そうすればデパートなどで車いす利用者などがエレベーターになかなか乗れない事態などなくなるように思う。

 

エレベーターと渡り廊下が完成して、息子の垂直移動の不安がなくなり、いよいよ親の付き添いがなくなる日がやってくる。