入園決定から数日後に迫った入園式やその他もろもろの準備をしながら、長かった入園闘争を振り返った。妻は本当に大変だったと思う。親の付き添いは、外せなかったものの正式入園できて良かったとしみじみ思った。
入園式当日、暖かい春風の中を晴れがましい顔をした息子と「おめでとう」と掲げられた門をくぐり、会場に入った。クラス名簿に自分の名前を見て、息子はどう思っただろうか?
親としては、彼が人生ではじめて獲得した他者と共有する居場所だなあ、と感慨深かった。
本来そんなことは当たり前で感慨に浸る必要はないことなのだけれど、医療的ケア児であるが故の何とも言えない苦い思い出だ。
クラス分けでバラ組になった息子は、名札をつけて入園式に出席した。式場から退出するとき、来賓で来られていた地域の小学校の校長先生が「小学校で待っているよ」と息子に声をかけてくれた。少し驚いたが、幼稚園死闘編②にも書いたように幼稚園と小学校の管轄が市教委だから話が通っているのかなと感じた。
クラスに入った息子は、緊張した顔でクラスメートたちを横目でチラチラ見ていた。
きっと心臓はバクバクしていたに違いない。
いよいよ息子の地域社会生活のスタートが切られた。
ここから何が起きるか、楽しみで仕方ない。