在宅生活1か月過ぎたあたりから車で病院以外のところにも行くようになった。
息子はこれまで電車や船には乗ったことがあり、今回はまだ乗ったことのない飛行機を見に行くことにした。
家から空港まで高速道路を使って約1時間。その往復の2時間とランチや見学時間を含めても、呼吸器の内部バッテリー(3時間半)、外部バッテリー(3時間半)合計7時間もあれば、まったくの余裕だろうと計算して家を出発した。
当時我が家の車にはインバーターと言う車の電源を家庭用の電源に変換するモノもなかったくせに「充電が必要なら、空港のどこかでコンセントを借りればいい」くらいの軽い気持ちだった。
因みに高速道路の渋滞など全く考慮していない無謀なドライブだった。今思うと冷や汗ものだが、当時は外に出たい思いでいっぱいだったのかなとも思う。が、今でも時々このときのことを思い出しては、くれぐれも無謀なことはしないようにかなりの電源的ゆとりを持つように、と猛省している。
道中は呼吸器をつけた息子と初めての高速道路で少し緊張したが、快適なスピードでトラブルもなく空港まで。到着までは眠っていた息子だが、デッキへ行くと飛行機の甲高いエンジン音に目を覚まして、青空へ飛び立っていく飛行機や舞い降りてくる飛行機を不思議そうに眺めていた。
つづく