こんなパイプや管をつけて、まともな生活が送れるのだろうか? しんどい思いをさせても、病院の中だけで過ごすしかないのか? それでも命ある限り、生きてほしい。
入院時、日曜日から金曜日は妻が病院で付き添い、土曜日の夜は、妻と交代し私が息子と一緒に、病院のベッドで眠った。彼の頭をなでながら、何度も尋ねた。どうしたらいいのか?と。
妻とも話し合いを重ね、医療関係者にも質問した。在宅で暮らせるのかどうか?最終的にはここが一番のポイントだった。 主治医から、「在宅で生活できる。ただし条件をクリアしてもらいますが」と力強く告げられ、人工呼吸器の装着を決意した。
『我 事において後悔せず』
新たな目標に向かって、親子三人決意をした。そのとき、私は宮本武蔵のこの言葉を思い浮かべていた。 「人工呼吸器をつけた事に、後悔しない」 腹をくくって、手術に臨んだ。